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【社名・住所変更】事業主のための労働・雇用・社会保険手続き完全ガイド

スタッフブログ

2026.03.07

事業所の名称や所在地を変更した際、避けて通れないのが行政機関への届出手続きです。労働保険、雇用保険、社会保険のそれぞれで提出先や期限、順番が異なるため、混乱しがちです。
本記事では、手続きのポイントをわかりやすくまとめました。

労働保険・雇用保険の手続き(ハローワーク・労働基準監督署)

労働保険の手続きは、事業内容が「一元適用事業」か「二元適用事業」かによって、提出先や順番が異なります。

適用事業の区分

  • 一元適用事業: 労災保険と雇用保険の保険料の申告・納付等をまとめて行う事業(一般的な事業所)。
  • 二元適用事業: 事業の実態から、労災保険と雇用保険を別々に取り扱う事業(建設業、農林水産業など)。

手続きの概要

項目内容
提出期限変更があった日の翌日から10日以内
提出書類①労働保険名称、所在地等変更届
提出書類②雇用保険事業主事業所各種変更届
添付資料登記事項証明書、事業許可証、賃貸借契約書など変更の事実が確認できる書類

注意点:管轄と提出の順番

所在地を変更する場合、手続きは変更後の所在地を管轄する機関で行います。
  • 一元適用事業の場合:
    1. 1.まず、移転後を管轄する労働基準監督署へ「労働保険名称、所在地等変更届」を提出します。
    2. 2.その後、その控えを添えて、移転後を管轄するハローワークへ「雇用保険事業主事業所各種変更届」を提出します。
  • 二元適用事業の場合:
    • ◦ 労災保険については、移転後を管轄する労働基準監督署へ「労働保険名称、所在地等変更届」を提出します。
    • ◦ 雇用保険については、移転後を管轄するハローワークへ「労働保険名称、所在地等変更届」と「雇用保険事業主事業所各種変更届」を同時に提出します。

社会保険の手続き(年金事務所)

健康保険・厚生年金保険の手続きは、管轄外への移転であっても変更前の所在地を管轄する年金事務所が提出先となります。

手続きの概要

項目内容
提出期限事実発生から5日以内
提出書類健康保険・厚生年金保険 適用事業所名称/所在地変更(訂正)届
提出先管轄内の移転:管轄の年金事務所(または事務センター)
管轄外への移転:変更前の所在地を管轄する年金事務所
添付資料法人の場合:法人(商業)登記簿謄本のコピー(発行から90日以内)
個人の場合:事業主の住民票のコピー(個人番号なし)など

健康保険「資格確認書」等の扱い

所在地変更に伴い、健康保険(協会けんぽ)の扱いには注意が必要です。
  • 同一都道府県内での移転、または名称変更のみ: 「資格確認書」等に記載の内容に変更はないため、回収・返納は不要です。そのまま使用できます。
  • 他の都道府県への移転(管轄外): 保険証の記号が変更されるため、事業主経由で「健康保険資格確認書交付申請書」を新しい所在地を管轄する協会けんぽに提出し、新しい資格確認書を発行してもらいます。新しい資格確認書が届いたら、事業主は従業員から古い「資格確認書」等を回収し、協会けんぽ支部へ返送する必要があります。
  • 発行のタイミング: 新しい資格確認書等は、申請から発送までおおむね1週間〜10日程度かかります。年金事務所でのデータ更新が完了してから協会けんぽでの発行が行われるため、変更届の処理状況によって前後します。特に3月〜4月の繁忙期などは、通常よりも日数を要する場合があります。
  • ・マイナ保険証が登録済みであれば、情報の更新を待たずにそのまま利用可能です。
  • ・なお、他の都道府県に転居する場合、健康保険料率が変更になる場合があります。

まとめ:期限・その他留意点

  • 期限に注意: 社会保険は「5日以内」、労働・雇用保険は「10日以内」と非常にタイトです。
  • 法人の代表者変更のみの場合: 雇用保険および社会保険(所在地や名称に変更がない場合)の手続きは原則不要です。
  • ハローワークの求人: 事業所の変更届を出しても、求人票の内容は自動で変わりません。別途、求人担当部署での手続きが必要です。

事業所の移転や社名変更は、登記が終わってからすぐの手続きが求められます。必要書類を早めに準備し、スムーズに完了させましょう。

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